2016年5月16日 11:01 am

保育園で調理していて「今日は失敗!」という日があると思います。

 

家庭料理と給食作りは基本的に必要な調理技術は変わりませんが、給食では大量の食材を扱う難しさがあります。

 

「料理好き!家庭では毎日お料理しています。」という人が、おいしい給食を作れるわけではありません。

家庭料理と大量調理では、調理手順も異なります。

 

例えば青菜のお浸し。

家庭ではゆでた後で切るのがあたりまえですが、給食ではゆでる前に切ります。

 

衛生管理上、最終加熱の後は包丁を入れませんよね。給食では衛生管理も必要です。

 

子どもの食事研究所には、4月から働き始めた給食担当者様から、いろいろなご相談を頂いています。

 

  • 煮物が煮崩れてベタベタになってしまった。
  • 衛生管理に時間がとられてしまう。
  • 魚がパサパサになってしまう。
  • 和え物がおいしくできない。
  • 全て色が汚くなってしまう。

 

今回は、新米給食担当者様向けに、調理ごとに大量調理で失敗を防ぐポイントをまとめます。

 

■大量調理の特性を知る

 

【炒め物】

炒め物の失敗は、ベタベタになってしまうことですよね。

これは、食品からの放水で蒸し焼き状態になってしまうことが原因。

 

大量に炒める場合は、

 

  • 材料を下ゆでしておく
  • 一度に炒める量を減らす
  • 強火で短時間で調理する

 

など、工夫します。

スチコンの場合は、170℃のコンビで炒め物を作ることができます。

 

 

【焼き】

焼き物の失敗は、出来上がった料理の乾燥です。

特に気になるのは「魚」です。

 

パサパサの原因は

大量に材料を入れることにより庫内温度が下がる。

加熱時間が長くなる。

食品が乾燥する。

 

オーブンの場合は、これを防ぐために、食品に霧をかけたり、焼き汁をかけるなどの工夫をします。

スチコンの場合は、蒸気を含むコンビモードで焼きます。

 

 

【揚げ物】

揚げ物の失敗は、カラッと仕上がらず、油でべタッとしてしまうこと。

油の量、火力に応じて1回に揚げる量を決め、揚げ温度を均一にすることが大切です。

 

 

【汁もの】

汁ものでの失敗は、「薄い」「濃い」ですね。

和食の汁物は複雑で奥深く、塩分量だけでなく

 

  • だし汁のうまみ
  • 香り
  • 具の量
  • 具の内容

これらによって違いを感じます。

 

具が多い程、時間とともに汁の塩分が具に浸透し、汁は薄く感じるようになります。

また、具の食材ごとに水分量に違いがあるので、最終的な汁の味にばらつきがでてしまいます。

 

このように複雑な「汁」をおいしく作るコツは、、、、

やっぱりおいしい「だし汁」をとることでしょう。

 

だし汁がおいしければ、塩分に関わらず汁も具もおいしく食べることができます。

そして、もう一つポイントとなるのは「香り」です。

  • みそ汁が薄く感じる
  • 今日はだしがきいていない気がする。

 

このような時には、提供直前に香りづけに「しょうゆ」」を加えましょう。

おいしく感じることができます。

 

【煮物】

煮物の失敗は、煮崩れです。

 

煮崩れの原因は

  • 材料に均一な味をつけるために攪拌した際に煮崩れてしまう。
  • 余熱で火が入り過ぎて煮崩れてしまう。

 

防ぐためには、

  • 調味料を先に加えて煮汁の量を増やす。
  • 余熱を考慮して加熱時間を短縮する。
    (8分通りの煮えたところで消火)

これらの工夫で煮くずれを防ぎます。

 

 

【和え物】

和え物の失敗の原因は2つあります。

  • 野菜をゆで過ぎ
  • 和えてから食べるまでの時間が長い

 

野菜をゆで過ぎると

  • 色が悪くなってしまう
  • 水っぽくなってしまう

 

多くの方が失敗した経験があると思います。

ゆで過ぎの野菜をしぼると、野菜の量がびっくりするくらい減ってしまいますよね。

量が減ってしまうのが困る!ということで、しっかりしぼらないと、調味した時に水っぽくなってしまいます。

 

2つ目の原因は、和えてから食べるまでの時間が長く、水っぽくなってしまうこと。

基本的には配膳の直前に和えるべきものですが、

調理の工程として難しい場合は、

煮浸し風にしたり、材料を下煮したものを和えたりする工夫も必要です。

 

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