保育園では、4月に向けて
- 来年度の目標量の作成
- 年間の栄養評価
が行われています。
最近、わんぱくランチのサポートセンターで、カリウムについてのご質問をよくお受けします。
■まず一つ目は、、、
「カリウムの充足率が100%を超えてしまうけど大丈夫?」
という質問です。
2015年の食事摂取基準で新たに保育園で評価することになったカリウム。
カリウムが、ナトリウムとセットで語られることが多いので、みなさん過剰が気になるようです。
しかし、問題となるのは、ナトリウムの過剰摂取のみ。(高血圧、心臓病などの原因)
カリウムには、このナトリウムを排泄する働きがあり、反対に積極的に摂取することが推奨されています。
保育園では、カリウムの摂取量が目標量の150~250%になることがありますが、全く心配いりません。
■二つ目の質問は、、、
「カリウムをたくさん摂取できているから、食塩が少し多めでも大丈夫?」という内容。
確かに、カリウムにはナトリウムを排泄する作用があります。
しかし、カリウムは、「切る・加熱」による成分損失があるので、カリウムの作用を過信することはできません。
また、食塩については「味覚」の問題があります。
乳幼児から塩味に慣れさせることは、正常な味覚の育成を損ねる可能性があると言われています。
*井上勝六「脳で食べる」(丸善)
子どもたちが、将来健康に生きるために、
「薄味でもおいしい!」と思える味覚を育てる必要があります。
■給食でやるべきことは、、、
(1)カリウムの摂取を増やす
- カリウムを多く含む食材を使う
- 調理による損失が少ない芋やかぼちゃを使う
- 野菜を大きいまま煮ることができる料理を取り入れる(ポトフ等)
カリウムは健康的な和食の食材に多く含まれます。
[主菜になる食品のカリウム量]
さわら 50g 250mg
ひらめ 50g 220mg
かじき 50g 220mg
大豆(乾) 10g 190mg
豚もも肉 50g 180mg
鶏ささみ 40g 170mg
納豆 25g 170mg
[副菜になる食品のカリウム量]
ほうれん草 35g 240mg
さつまいも 50g 240mg
ひじき 5g 220mg
じゃがいも 50g 210mg
バナナ 50g 180mg
切干大根 5g 160mg
えだまめ 25g 150mg
わかめ 3g 100mg
ブロッコリー 25g 90mg
塩昆布 5g 90mg
*栄養価端数適宜処理
(2)ナトリウム摂取を減らす
- 汁を具だくさんにして液量を減らす
- かつおぶし、きのこ等の旨みを使う
- かんきつ類の酸味を利用する
- ごま、のり等風味のある食材を使う
等、献立作成、調理で工夫できることがたくさんあります。
魚や豆腐などの和食で野菜たっぷり!
加えて薄味!
これでご飯をおいしく食べることができれば、とっても健康的ですね。
現場の先生からご相談のお電話を頂いた時、
最初は「栄養」についての内容でも、最後は必ず「料理」の話で終わります。
子どもたちの体に入ってこその栄養。
何を食べてもらうかが大事ですよね!
ついつい話が盛り上がり、
最後はお互いに、
「勉強になりました!ありがとうございました!」と言い合いに・・・。
ユーザー様と一緒に、調理の知恵を出し合い、栄養のあるおいしい給食を作っていきたいです。
Categorised in: 給食・栄養管理