「栄養士は一人仕事ではありません。
知恵を出しあって進みましょう!」

Vol.9 愛知県 津島市役所

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自治体栄養士として地域の子どもたちの健康を願って

保護者と共に理想の形を追い求めて完成した現在の園舎。1991年に建設委員会が発足し、保護者延べ100人と、全国17園を見学したそうです。「子どもの成長と発達」「保育士の働きやすい職場環境」「親や地域に開かれた保育園づくり」をスローガンに、1997年に完成しました。

訪問したのは…

施設名

津島市役所 
健康福祉部子育て支援課
児童保育グループ 栄養士 
山口佳代さん

プロフィール

学校給食の調理師をしていた母親の影響で、栄養士を目指す。栄養士の資格を取得できる大学に進学し、卒業後は津島市役所に就職。平成3年から、市立老人ホームで栄養士として勤務。平成7年から、福祉課児童・保育係(現・子育て支援課児童保育グループ)で栄養士として保育園を担当。以来、保育園の給食献立に関わる業務のほか、保育園での保護者面談、子育て支援センターでの栄養相談、ファミリー・サポート会員向けの子どもの食事に関する研修なども担当し、地域の子どもたちの食に幅広く携わっている。

多岐にわたる栄養士の業務丁寧に向き合う方法とは?

平成17年「食育基本法」が施行される前から、いわゆる食育活動に取り組んできた山口さん。
ひとつひとつの仕事に向き合い、感謝される仕事をし続けています。
その活動内容と心がけを通して、栄養士が目指す姿に迫ります。

自治体栄養士 
山口佳代さんの業務内容

  • 保育園の給食献立に関わる事務作業全般/献立会議、献立立案、支払い業務など
  • 保育園でのアレルギーの子どもを持つ保護者や、食がうまくいっていない子の保護者との面談(月に数回)
  • 生涯学習センターでの栄養相談(第4金曜日
  • 津島市の栄養士が所属する栄養士連絡会の会議(第3水曜日)
  • ファミリー・サポート会員向けの研修(年1回2時間)

「献立会議」で声を集め
よりよい給食に改善

山口さんのメインとなる業務は、保育園の給食献立に関わる全般。担当するのは、民間を含めた市内11園の保育園給食です。
「月初めまでに、次月の給食献立に向けた『献立会議』を、各園の代表を集めて行っています。支払いなど経理処理の締め切りが同じタイミングなので、月末から月初めが一番大変。それが終わり、献立会議の内容を反映し、献立を変更します。離乳食なども含めた献立表を完成させ、検食結果を記入するための検食表(クラス用・延長保育用・一時保育用・おやつ用・離乳食用・アレルギー用)と合わせて各園に配ります。これが献立に関わる一連の作業ですね」
献立会議とは、各園の調理員が集まり、給食について話し合う機会です。その会議の進行に欠かせないのが「検食表」。市内全園の園長先生と各クラスに配られる、毎日の「給食に対する評価」を記入するシートです。会議参加者である園代表の調理員が持参し、それをもとに、給食の内容を改善していきます。
献立を計画して実施。それに対して各園が評価するという、市の保育園給食に関わる人みんなで、よりよく改善していくことを目的に集まる会議なのです。これらの仕組みを作ることができたのも、保護者の声に耳を傾け、寄り添ってきた結果です。

お母さんを笑顔に
丁寧な栄養相談を

子どもの食に関して、世の中のニーズが様変わりした今。平成17年7月施行の「食育基本法」によって、園自体で食育活動を行う時代になり、栄養士の業務内容に大きな影響を与えました。
自治体栄養士の山口さんはそれ以前から、給食献立に関わることと並行して、いわゆる食育活動を自発的に行ってきました。地道な活動は大きく花開き、支援をしていた園児の一人はすでに高校生。いまだに山口さんのもとへ親子で会いに来てくれると言います。
「いつの時代もお母さんたちは、子どもの食事について悩みが多いのを実感します。市の生涯学習センターで行っている栄養相談では、何人ものお母さんが来てくださり、所定の時間内ではみなさんの相談を受けられないほど。たくさん話をした後、『すっきりした、話せてよかった』と笑顔で帰られる方が多いのは、よかったと思える瞬間です。私の一方的な話を聞いてもらうだけでは意味がなく、じっくり会話をして納得してもらい、その後親子で向き合って、一緒に食事をしてもらうのが大事だと考えています」

栄養相談では伝え方、話し方も気遣いながら進めます

現場をよりよく!
スムーズに進めるための4つの工夫

給食現場では、栄養士はもくもくと取り組む一人仕事、と感じるのも事実。山口さんは「心がけひとつで、みんなとつながれるし、充実度が増していく」と断言します。その柔軟な取り組み方は、見習うことがたくさんあります。

[1]仕事を充実させるため
経験者の知恵をチカラに

山口さんが最近よく感じるのは、経験者からさまざまなことを吸収し、学ぶことの大切さ。「献立会議に参加する調理員さんは、若い人たちが増えてきました。彼女たちによく伝えるのは、『長年やってきた先輩たちがいる間に、いろんなことを聞いておいた方がいいよ』と」。
津島市の栄養士は山口さん一人です。しかし少し引いて周りを見渡すと、子どもの食というつながりで、ネットワークは広がっていきました。「これまでほかの市町村の栄養士に、いろんなことを教えてもらいました。食育活動に使っているいろんなグッズを作るようになったのも、そういったつながりからです。ちょっと外に目を向けると、立場や役割は違いますが、いろんなことを話せる人が増えていきます。そういった先輩たちが退職されて、環境が変わっていくと、今度は、ほかの市町村の栄養士から電話が入るなど、私が頼られる立場に。次の世代にしっかり伝えることに、力を注いでいきたいですね」
気づいたことがあれば、その場で伝えるようにも心がけていて、例えば、「保育園のスタッフに対して『アレルギーを持つ子どものお母さんは、自分のせいだと思い、自分を責めていることが多い。気をつけて、傷つけないような話し方や言葉遣いを意識しないといけないよ』など、自分の経験も含めて話します」。

おいしそうに食べる姿に励まされます

[2]食を通して子どもを見ると
いろんなことが分かる

給食に関わる人たちがより仕事内容を深めるために、すぐできることを教えてもらいました。「『児童福祉施設における食事の提供ガイド』に、調理員は子どもが食べているところに行っているか、といった内容がありますが、これは必ず行った方がいいですね。食事の場に行くのもそうだけど、“食べる”行為だけを見るのではなく、その子が“どういう気持ちで食べているのか”と、視点を変えて見てみる。これは日々簡単にできることですよ」
視点を変えると、嫌いで食べられない子に対して、上手に声がけができるようになるなど、日々の活動がスムーズになります。食べにくい子が、なぜ食べにくいのか?口の発達なのか、口の中が乾きやすいのか、お茶を飲ませてから食べさせたらいいのか。考えを巡らせると、さまざまな気づきがありそうです。
「口の水分を取られるおやつを食べさせるのは、しっかり目を覚まさせてから。続けて食べさせると危険ですから、寝起きの状態のときは特に気をつけ、では果物にしようとか、口に水分を入れてからに、など、やるべきことが見えてきます。口の状態、体、心の状態まで、いろんなことが見えてくるかな。愛情をかけてもらっている子と、一人で食べている子の食べ方は違いますし、家庭のことも見えてくるでしょう」

[3]食育の本質は「おいしいね」
話をしながら食べること

食育という言葉が頻繁に使われるようになる前から、食育活動を行ってきた山口さん。「先生やお母さんたちが『おいしいね』といいながら、『これ食べると風邪をひかなくなるよ』『これって昔からお祭りのときに食べるのよ』とか、『ずるずるやっちゃだめだよ』みたいに、いろんなことを話しながら食べて、“おいしいね、いいにおいするね”というのが一番の大事なこと。食の知識を得るお勉強は二の次でいいと思っています」
続けて、「保育士さんは、給食の時間に食育の話をしながら食べてくれればいいなと。園児に食べるのを待たせて、『あの食べ物は何、これは何』と、お勉強ばかりが先に行きがちです。お願したいのは、園児の前で残食しないこと。食がうまく進んでいない子は、お母さんや保育士さんが『わあ、おいしい!』と、気持ちをそそっていくしかありません。お母さんたちには、すぐ解決する方法がなくてごめんね、というのですが、お友だちとごはんを食べて、これがおいしいと思うきっかけを作る。子どもたちにプラスのイメージを植え続けていくしかないのです」。

[4]専門職として誇りを持ち
いつも子どもに目を向けて

学ぶことを怠らず、専門知識を増やしていくこと。山口さんは日々の業務からもその必要性を実感しています。「聞かれたことはすべて答えられるように情報を集め、それなりに勉強をしているつもりです。面談では、その場で判断し、正しい回答をしなくてはいけない場面が多くあります。保護者に『どうなのかな…。分からないからちょっと調べるね』とは返せません。一つの答えだけが正解ではないから、『これがあってこうだけど、家庭だとどんな感じでやれそうかな』と、その背景も含めて話すようにしています。一つのことでも、いろんな知識がないと答えが導けないので、すぐ答えられるだけの知識はもっていたいですよね」
現場経験が浅いとすぐ答えが導けず、また日々の業務で積極的に勉強する余裕がない人も多いはず。「今の私の頭の知識を、どう得たのかと尋ねられても分かりません。経験から得て、身につくことも多いですし、まずは日々の生活の中で子どもたちに目を向け続けること。そこから生まれてくるものが必ずありますから」
山口さんは、専門書に触れ、研修会やセミナーに参加するほかに、日常生活の中でつい栄養士としてモノを見てしまうのだとか。「フードコートに行くとつい子どもを見て、みんな丸飲みして咀嚼できていないな、ラッパ飲みしている子がいっぱいいて、ちゃんと飲めていないな、とか。日常からも現状や課題が見えてきます。子どもを見ようという意識で、仕事の幅ややりがいが変わってきますよ」

アレルギーへの取り組み

特別な「アレルギー食」を作らずシステム化で現場の負担を少なく

子どものアレルギー問題は、保育園給食の大きな課題の一つです。アレルギーの子どもを預かる環境を整えようと、津島市では、平成13年から「給食献立から、卵・乳を完全除去」することで、民間の園でも取り入れやすくしています。アレルギーの子どもを持つ保護者へは、面談を通して、スタッフが連携して取り組みます。
実は、この津島市のアレルギー対応システムの構築には株式会社アドムの佐橋が関わっています。現状のアレルギー対応に至る経緯を振り返るとともに、継続するためのポイントを聞きました。

卵・乳の完全除去でアレルギー対応の78%を減らす

私が、津島市のアレルギー対応に関わらせて頂いたのは、山口さんが2人目のお子さんの出産のために産休・育休をとっていた時でした。山口さんは、あの当時、休暇中とは思えないぐらいお仕事されていましたね。「みんなで楽しく食べることができる給食」を目指して、一緒に試行錯誤した日々を懐かしく思います。

山口

津島市の今のアレルギー対応のきっかけは、1人の重度アレルギーのお子さんへの対応でした。30品目以上食べられないお子さんが入所し、お母さんが忙しくて毎日お弁当というわけにはいかなくて。調理人員の不足や食材コストの問題がありましたが、なんとか保育園で給食を出してあげたいと。お母さんのストレスが軽減され、安全性が保たれ、子どもがきちんと成長できるかを考えて進めていった結果です。その時の子どもは高校生ですが、お母さんはいまだに窓口に来てくださいます。
あれから16年。津島市では、給食献立から「卵」と飲み物以外の「乳」を完全に除去し、代替食を提供しています。卵・乳は、3大アレルギー(卵・乳・小麦)のひとつ。この2品を基本的に料理に使用しないことで78%のアレルギー対応を減らすことができました。

食物アレルギー対応では、「献立」がとても重要です。津島市の献立は、「卵と乳を使用しない」というだけでなく、特別に「アレルギー食」を作っていないところだと思います。

山口

そうですね。津島市の献立は、基本的に「普通食(卵・乳不使用)」と「離乳食」の2つのです。通常、離乳食は、普通食の材料を展開して作りますが、津島市では、アレルギーを持つ園児が、いずれかを食べることができるように、普通食と離乳食では、異なる食材(たんぱく質)を使用しています。具体的には、普通食が「肉と豆腐を使ったマーボー豆腐」の場合は、離乳食では、普通食で使っている食材は使用せず、「魚」を使った料理を提供。こうすることで、多くの園児はアレルギー原因食物を除去しても、代わりの料理を食べることができ、必要な栄養素を摂取することができます。しかし、食べられるものが少なく、アレルギー対応粉ミルクを飲んだり、唯一食べられる魚が嫌いだったり、心配したお子さんもいました。そんな子もみんな無事成長して大きくなっているのでよかったです。

医師、保護者、保育所職員が連携し16年間継続するシステムに

乳幼児のアレルギーの場合でいうと、そのときを乗り切れるよう、食材の数が少なくても、必要な栄養をできるだけ補うことが大切ですね。コストがかかる特別なアレルギー対応をしなくても、システム化することで無理なくアレルギーのある子を支えていけるということだと思います。

山口

津島市では、アレルギー対応システムを構築する際に、医師、保護者、保育所職員が連携できる仕組み作りを行い、16年間継続しています。
子どもにアレルギーがあると分かった時点でまず、親子で病院に行ってもらいます。何を食べているのかを医師に伝え、医師の判断によって津島市指定の書類に食べられないものを書いてもらいます。それを基に、保育園では定期的に面談をします。参加者は、園長、担任、栄養士、看護士、調理員と保護者。その子に本当にいい状態のものを出して、きちんとした成長をさせてあげたいと思うと、みんな「そうだよね」と必要性を感じて、納得できる。調理員は、後から紙で献立を渡されるよりも気持ちが入る。気持ちがあるから、みんな集まれる。実際は、お便り帳に書いてあることとは全く違うのです。しっかり聞くと全く違う生活をし、全く違うものを食べていたりします。丁寧に話をして、決めていくことが子どもにとって何より大事。話しあいの席では、みんなの気持ちが明るくなり、愛情を向けられるように話します。

保育園では、保護者を支援することが大切です。保護者にとって不安を抱えながら過ごす状態はすごく大変。どんどん成長する子どもを育てるお母さんは、みんな一生懸命です。

山口

何かが食べられなくても、ほかから栄養は取れます。お母さんには「重要視しなくてもいいんじゃないかな」と話すようにしています。固執してしまうとストレスになって、思いもよらぬ方向にいってしまうこともあります。パンダはササを食べないと死にますけど、人間には絶対食べなくてはいけないものはありません。これがダメならあれを食べたほうがいいとか、それを話し合うのが面談をする意味ですね。お医者さんはそこまでの役割はしないので、だれが支えるかというと、やっぱり地域にいる栄養士。津島市の場合は、保健センターと市役所に栄養士がいるので、相談してもらうとお母さんのストレスが減るのではと考えています。実際、そのような相談が一番多いです。

子どもが健康に育っているのを見ながら、安全にすくすくと育っていける環境を用意してあげることがあれば、保護者も安心できますね。

山口

話はそれますが、お母さんは子どもが好きでも嫌いでも、必死に食べさせる傾向にあります。そこで、「子どもが嫌がる“苦いもの・すっぱいもの”は、口から出して正解。腐っているものや毒を避ける本能が働いているだけだから。経験を重ねるうちに、おいしいと認識していくんだよ」と話します。無理やり食べさせるのは逆効果。機嫌のよい時に調理法を変えて出してみたり、お母さんがおいしいと大げさに食べて見せたり、外にお出かけして食べたり、ちょっとした工夫で変わってきます。できるだけ楽しいイメージをつくることが大事。「お母さんも楽しんで」と伝えたいですね。

すばらしいです。保育園で面談している子が、その時期を通り越せば食べられる年齢になる「寛解」していく割合はどれくらいですか。

山口

慌てず、小学校にあがるまでを目標にしています。エビ・カニが残ることがありますが、卵が残った子は平成18年に1人。果物以外だと、卵・乳はほとんどOKになります。残る子はまれです。

なくなることまで確認できるのは、面談があるからこそ。その意味はすごいですね。

山口

忙しい保護者が、ずっと食べさせないのも問題になっています。面談は、病院に足を運んで経過を確認するきっかけにもなります。市に子どもアレルギークリニックができ、行きやすくなったのもありますね。面談にかかわるみんなが子どもの成長を喜び、保護者も喜んでくれるのはうれしい瞬間です。丁寧に取り組んでいきたいですね。

園のスタッフと確認しながら。検食のようす

TOPICS

地域での食育活動を拝見

「いろんな立場の人で知恵を出し合うのが大事。“いろんな意見がもらえる”という感覚で、たくさんの人と関わっていくように仕事を進めていますね」と山口さん。行っている食育活動のポイントを聞きました。

子どもの印象に残る伝え方を大切に「食まるファイブ」

「保育園・幼稚園でアンケートをとり、子どもの健康にとって何の問題があるか調べたら、寝る時間が遅いことがありました。『はや寝、はや起き、朝ごはんと朝うんちが大事だよね』と。これを強化するのにどうしようと考えたのが紙芝居。キャラクターを使い、子どもたちにも考えさせるよう展開します。活動2年目からは、ボランティア活動してくれる人に声がけをして広がっています。いまは年少から年長までが対象。3年間やると効果につながります。私がナレーターをするときは『みんなが先生になって、おうちの人に教えてあげて』と紹介のシートを渡し、活動の内容が広く伝わるようにしています」

飲食店の協力で、適量の考え方を普及「元気いきいきつし丸ごはん」

「津島市の栄養士が所属する栄養士連絡会で、“元気いきいきつし丸ごはん”という活動の普及をしています。食事の量を自分の手で計る“てばかり栄養法”に準じた食事を『つし丸ごはん』として、市内の飲食店に協力してもらい、適量のごはんの提供をはじめています。少しごはんの量を減らしたり、野菜の量を増やしてもらったり。市の健康祭りではお弁当の販売もしてもらいます」

RECIPE

うさぎバーグ

材料(1人分)

  • ケチャップ20.0g
  • ウインナー1本(ゆでて縦に半分に切る)
  • キャベツ40g(千切り塩ゆで)
  • 人参5g(千切り塩ゆで)
  • 1g
【A・ハンバーグのたね】
  • 鶏ひき肉20.0g
  • 豚ひき肉20.0g
  • 木綿豆腐8g(水切りする)
  • れんこん10g(すりおろす)
  • 玉ねぎ20g(みじん切り)
  • 米ひじき1g(水で戻す)
  • 片栗粉1.6g
  • 0.3g

作り方

  1. Aの材料をこねて丸く形を作り焼く。
  2. ウインナーを耳になるように飾る。
  3. ケチャップで顔を描く。
  4. ボイルキャベツと人参を添える。

※アレルギー対応ウインナーを使用

NOTE編集後記

栄養士の山口さんとは長いお付き合いです。お会いした時には、「子どもの食事・食べ方」について、話が盛り上がります。
先日、「栄養士になって、もうすぐ30年。たくさんの子どもたち、保護者に出会って2人とも成長したね」と「もう少しで、子どもたちのおばあちゃんの年代になるね」と言いながら、一緒に健康関連のセミナーに参加しました。
私にとって、現場で働くわんぱくランチユーザー様は、子どもたちの未来を一緒に考える大切な仲間。保育現場で、子どもたちの食の課題にひとつひとつ取り組む、山口さんの活動は、「食育」の理想の姿だと感じています。
津島市で行われているアレルギー対応もそのひとつ。低年齢の乳幼児に多い卵・乳を使用しない献立を提供していることは、アレルギーの誤食の事故を防いでいるだけではありません。除去食品を減らすことで保育士の負担が軽減。全ての子どもたちが穏やかな雰囲気の中で、たのしく食事をすることができる環境づくりにつながっています。
乳幼児の食の問題はたくさんありますが、子どもたちに目を向けて、みんなで一緒に考えて、食環境の改善につなげていきたいです。
これからも、現場の活動をたくさんお伝えします。「うちの保育園も紹介して!」とご要望があれば、よろこんで取材にうかがいます。気軽にお声がけください。

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