“食”を中心とした生活と遊び。
和食給食は生きる力を育てます。

Vol.13 大典保育園

USER NAME大典保育園

“和食給食”を実現して10年が過ぎ先生みんなが自慢できる環境になりました

訪問した「大典保育園」は1972 年、天理教大典分教会が母体となり、社会福祉法人大典福祉会 大典保育園を設立し開園。保育の特徴として実践しているのが、①3歳以上児混合の異年齢保育、②和食給食、③健康保育です。2018 年に園舎の移転・建て替えが行われる際は、設計の段階から先生たちのアイデアが盛り込まれました。理想の保育を実現するためのこだわりが、細部にまで見られます。地域活動にも力を入れ、子育て支援事業「おひさまくらぶ」での和食給食メニューの料理教室は好評です。

落ち着いた雰囲気で味わう子どもたち

人気はかぼちゃコロッケや煮物、魚料理に土佐酢あえ

手作りおもちゃが充実しています。

生活の中に食育活動があります

昆布を子どもたちで干しました

訪問したのは…

施設名

大典保育園

所在地

大阪府河内長野市小塩町325番地3

URL

https://www.taiten-hoikuen.com/

大典保育園3つの特徴

①大家族のように過ごす「異年齢保育」

人間として必要な力のほとんどが模倣することで身につ
き、遊びや人間関係の能力も異年齢間では大きく育つという考えのもと、3歳以上の子どもたちを対象に、「異年齢保育」を行っています。
 大家族のきょうだいのように、遊びも生活も一緒に過ごす子どもたち。経験を積んだ5歳児は伝え手となり、4歳児は5歳児の技をつかみながら、力をためて育ち、3歳児は新しい体験を積み重ねていきます。コミュニケーション能力の向上も期待されます。

②旬のエネルギーがつまった「和食給食」

四季の移り変わりがある日本には、自然が生み出す最高の山の幸・海の幸・旬のものがあります。旬のものは、エネルギーがぎっしりつまっていて、とてもおいしい。そこで、「旬を意識した食材を選んで、和食の献立を立てています。
おやつは第4の食事と考え、市販のお菓子は使いません。
腹もちのよいおにぎり、いり大豆、食べるにぼしなど。ほかにも、芋や米粉を使った団子やおやきなどが登場します。

③薄着、素足でぞうりの「健康保育」

暑くても寒くても、一日一回は外に出て、その時の気温を体感し、元気な身体作りを実戦。薄着の習慣を身につけるようにしています。厚着になりがちな冬も、園内は床暖房が完備されているので、薄着でも大丈夫です。
 靴箱には、小さなぞうりが並びます。子どもたちは、登園から降園まで素足にぞうりをはいて過ごします。ぞうりをはくことで足の裏(土
ふまずや丸天井)がきっちり形成され、判断力や集中力、持続力、意欲が高まり、情緒も安定するといわれています。

園長・保育主任の熱い思いと行動が
「大典の和食給食」をかなえました

和歌山県と奈良県がすぐそこ。大阪府河内長野市にある大典保育園にうかがいました。
子どもたちは園庭をぞうりで駆け回り、明るく元気いっぱいです。
給食の時間になると、落ち着いて、料理を一口ずつ味わって食べています。
食を中心とした生活と遊びが実践され、生きる力を身につけている子どもたち。
それには、園長と主任保育士が中心となり、周囲に理解をうながしながら「和食給食」を形にした努力がありました。

「保育の中心に食がある」
理想で終わらせない“ 心意気”

地域の役に立ちたいと開園してから48 年になる大典保育園。わんぱくランチを導入いただく際に、アドムのスタッフが訪れたことがあり、訪問は9 年ぶりです。

一昨年に建て替えが行われ、新しくなった園舎は木の温もりに包まれています。

出迎えてくれた園長の山中麻恵先生は、給食に使う食材の買い出しから戻ったばかり。さっそく園内を案内してくれました。調理室は子どもたちの食べる様子がよく見え、子どもたちの成長を間近に感じられる造りです。

「建て替えの際、私たちの理想の保育を、設計に反映してもらいました。保育園は生活そのもの。子どもたちは一日の大半を園で過ごし、生活と遊びの中から、生きていく上で必要なことの基礎を学んで、身につけていきます。大典保育園が掲げる3つの特徴の中の「和食給食」は、“ 保育の中心に食がある” という考えを、行動に移しているんですよ」。

子どもたちにとってよりよい形になるようにと、日々進化させている食を中心とした活動を、詳しく教えてもらいました。

心強い味方に励まされて
園長就任と同時にスタート

大典保育園の「和食給食」は、旬の食材をふんだんに使い、全て手作りしています。具体的には、以下の通りで、徹底しています。

  • 毎日主食はごはん。毎朝、園で三分づき米を精米。
  • 毎日具だくさんの味噌汁。出汁は昆布と煮干で取る。
  • 週2回は魚料理。魚はまるごと買って、園でさばく。
  • 野菜料理は、煮物、和え物、お浸し、酢の物。
  • 冷凍食品・加工品は、一切使用しない。
  • 牛乳は使用しない。
  • 卵は極力使わない。
  • 小麦粉は使わず、米粉、米油を使って調理する。
  • 調味料は上質でおいしいものを選び、丁寧に使う。

和食給食を導入したのは、2007 年4月から。きっかけは山中先生が、園長に就任する直前の2006年11月。
料理講習会に参加し、講師に来ていた栄養士・渡辺雅美先生の考えに衝撃を受けたことでした。
「渡辺先生は、栄養士として保育園に長年勤務し、その経験をもとに、1996 年から保育園の給食に和食を導入する活動をしていました。
その時配られた保育園用の献立表は、一切カタカナがありません。おやつはおにぎり。第一印象は高齢者施設の食事のようで、子どもたちは食べるのかなと。
でも、食べてみたらとてもおいしい。『忙しさの中でも調理員が仲よく仕事をすることで旬の食材自体以上の味になる。』
『こちらにとっての100 食も子どもにとってたった一つ、盛りつけは丁寧に最高の状態で』『栄養士は保育園に貢献するために、園にお金を残す努めもしなくてはいけない。
献立を立て、栄養計算をする以外に、工夫できることがある』。その心意気に感動し、私が園長になったらこの献立をぜひ取り入れたい、という思いがわいてきました」
すぐに行動した山中先生。真っ先に賛同してくれたのが、主任保育士の中西郁子先生です。年明けの1月、渡辺先生に園に来てもらい、全職員へ、和食給食について話をしてもらいました。
「主任の中西先生は、1980 年から勤める大先輩で、頼りになるお姉さんのような存在。ずっと望んでいた給食の形だと言ってくれて、本当に心強かったです。
しかし、実現するには、今までの仕組みをがらりと変えなくてはいけません。私が園長に就任するまでの数カ月で環境を整え、新年度から始められるように、周りを説得して、納入業者を見直していきました」

納入先の見直しで、見える効果も

「保育士は賛同してくれましたが、問題は調理担当者が納得してくれるのか。お米は園で毎日精米して、魚はさばく。野菜は切る工程が多いし、手間が格段に増え、段取りも変わります。話し合いをし、やるしかありませんね、と理解してくれ、食材の調達は私がすることになりました。勢いに乗ってやるしかない。渡辺先生の指導を受けながら、どんどん進めました」 結果、納入業者がほとんど入れ替わります。分つき米を届けてくれる米屋はなく、奈良の農家から直接買うことに。商店から切り身が届いていた魚は、まるのまま購入できる魚屋へ。野菜は八百屋が店を閉めるタイミングで、旬の野菜を何店舗か回って自分たちで買いにいくことにしました。障害者の作業所で作っている野菜もできる限り利用します。長年付き合いのあった牛乳屋には、「牛乳を否定しているわけではなく、和食には合わないので、子どもたちには家で飲むように伝えます」と話し、理解してもらったそうです。いろいろな壁をのりこえて始めた給食はおいしさと愛情がプラスされ、子どもの残食はほとんどなくなりました。さらにコストはぐんと抑えられたのです。「調味料も厳選しました。米油、味噌、醤油、米粉は、それまで使っていたものよりも値段は高いですが、『上手に使えば、必ずお金が残ります』と、渡辺先生がおっしゃった通りになりました」と山中園長先生。中西先生は、「それが職員に還元されているのですよ」と話します。

和食給食の見学、研修が増加

「調理員も保育士も栄養士も、本当によくやってくれています。少々じゃなくて、なかなかうちの園は大変です。みんながとにかくこの給食に対して自信を持ち、『私たちはすごいことをやっている!』と話せるくらいの心意気でやってほしい」と山中先生。和食給食を発信する中で、目に見える効果を期待されることもあるそう。「跳び箱が何段跳べた、英語が話せたといったこととは違い、卒園した後に、効果が出てきたらいい。私たちが実践していることは、忘れられてもいいんです。基礎部分として隠れていながらも、絶対に大事なことだと信じてやっています」最近は、京都や大阪などから見学が増加。研修後に導入する園もあります。園長先生の心意気は、園全体にしっかり浸透しています。「受け止めてくれると思うので私も言えます。最近も、『味噌を変えてもいい?』
と、中西先生や石橋先生に話しました。3人で相談しながら進めています。さっそく先生や子どもたちから『お味噌変わりました?』と聞かれました。みんな味覚が敏感で、新米になった時の反応もすごくうれしい。職員も和食給食で元気になり、いい循環が生まれていると感じますね」

残さずおいしく食べるために
保育でできる工夫があります

「おなか空いていない、食べたくない状態だから、子どもたちの食が進まず、給食に時間がかかってしまうんです」と主任保育士の中西先生。
大典保育園の給食時間は、しっかり味わえる落ち着いた雰囲気で、バタバタした様子はありません。おいしく食べるための工夫を紹介してもらいました。

① 元気に遊び、登園に合わせて食べる

「長時間保育で朝7時に登園する子、朝9時の子では、2時間も差があるのに、給食時間が一緒なのはおかしいですよね。だから、どの年齢でも時差をつけて食べています。0・1・2歳児はさっき来たところで、朝のおやつを食べて、やっと食べ終わってちょっとしか遊んでいないのに、もう給食。おなかが空いていないと20 分が1時間になってしまいます。やっと食べ終わったら寝る時間で、子どもにしたらいつ遊べるんだろうという状態です。外でいっぱい体を動かして元気に遊び、おなかを空かせた状態に持っていくようにもしています」

② 保育士は、年齢ごと、順を経て関わる

「私が保育士を始めたころは、6人を1人で担当し、自分も一緒に食べるという時代でした。食事はもちろんえさやりではありません。今は、赤ちゃんなら抱っこをしながら、食べさせてあげます。ちょっとおすわりができるようになったら、先生が食べさせる。一人で座れるようになったら手づかみで食べると、順を経ています。ごはんの前にせわしくしません。小さい子たちは、食べる前にみんなでお茶を飲んで、ほっとしてから、体も心も落ち着いたところから給食を始めます。3歳になったら、さあごはんにしましょう、と一斉です。保育士は1歳まではものすごく少ない人数をみて、2歳になったら増やしていきます。年齢ごとのやり方があります」

③ 自分のペースで用意し、片づける

「子どもたちは、自分で食事の用意ができたらいただきます。お友だちが用意できるのを待ちません。数分で用意できる子もいるし、お皿を一つずつ運んできて、遊びながら用意するなど、いろんな子がいます。おいしく食べ終わったら、それぞれごちそうさまをして片づけます。赤ちゃんの時から同じ手順で、どこのクラスにいってもこのやり方。先生が変わったら順番が変わってしまうことのないように、一貫した流れにしています。そのために、それぞれの生活スタイルを把握して、この子の発達はここにあるんだよ、ここを目指してやっていこうね、という話し合いはクラスでやっています。クラスが持ち上がっても伝達していきます」

④ 成長段階に合わせた食具選び

「子どもの成長に合わせ、食具を選んでいます。スプーンは6種類。矯正箸は使わず、お箸は最後の最後。変な癖がつかないように、正しく持てるようになって、小豆リレーができるようになってからです。また、子どもたちは自分で食べたいですから、ユニバーサルのお皿を使い、自分ですくって食べるという行為を大事にしています。「授乳・離乳の支援ガイド2019 年改定版」では、離乳の完了期が18 カ月頃までとなりました。ゆとりをもってみましょうというのは、すごくいいことだと思います。現場の先生たちは早く食べさせて、普通食にさせたい。ものすごく分かりますが、飛び越えたらだめで、子ども一人ひとりをしっかり見るようにお願いしています」

TOPICS

喜んで、大好きになる!
「和おやつ」のすすめ

  • おやつも全部手作りです。未満児の朝のおやつでは野菜を練り込んだ米粉クッキーが人気です。
  • 米粉、芋類、果物を使ったおやつを作っています。夏は芋ようかん、果物や野菜の寒天など、喉ごしがよくなる工夫をします。
  • 腹もちがいいように週2回はおにぎり。梅じゃこ、青菜、きなこにごまとバリエーション豊かです。
  • いりこと大豆は毎日食べます。作らず購入するのはこの2つのみで、淡路島から「いりこ」、隣の豆屋さんから「大豆」です。いりこは、ボイルしたジャコ、3㎝くらいのいりこ、と成長に合わせて食べます。大豆は、赤ちゃんの時はボイルして、3歳になったらいり大豆をいい音をさせて先生に見守られて食べています。
  • 出汁に使う昆布も、四角く切っておやつにします。
  • 今日のおやつは「ごへいもち」。肉まんも米粉で生地から作ります

  • 運動会で保護者にも配られる「いりこ・大豆・昆布」のおやつは大好評

  • 毎年子どもたちで果物のシロップ漬けを作ります

  • 北海道産の昆布は園で干しました。子どもたちがそのまま食べたいとはしゃぎます

栄養士さんにインタビュー

「当たり前のことを、思いを込めてやっています」

食というのは給食室の問題ではなくて、保育の中心におかれるべきもの。保育所保育指針の「子どもたちが自ら意欲的に食の体験を積み重ね、食を楽しみ合
う」。これは、保育で食を中心にやらないとできないことだと改めて感じました。要の役割を担う栄養士の石橋のりこさん(写真右)に、話を聞きました。

大典保育園の和食給食は驚きがいっぱいです。今日の献立のかぼちゃコロッケは子どもたちにとても好評ですね。5歳児さんから、かぼちゃを焼いて、潰して、練って作るんだよ、と聞きました。仕込みや下処理など、大変なところもあると思いますが、いかがですか。

石橋

毎日110 人分を3 人で作っています。コロッケは前日に仕込んで、衣は当日につけて揚げます。下処理で1 番時間がかかるのは魚です。生で買ってくるので、下処理は前日に専用スペースで行います、魚をさばくことは和食給食になるまでしてませんでしたので、最初大変だな、できるかなと思いましたが、いろいろな魚を手際よくさばけるようになってその魚を子どもたちがおいしく残さず食べてくれるのでやりがいがあります。

今日の献立はどれも野菜の味がしっかりして、とてもおいしかったです。調理する野菜の量は多いですよね。作業量を考えた時間の使い方、計画をされているのですか?

石橋

調理に使う野菜の量はとても多く、準備に時間がかかりますが、スチームコンベクションを利用すると、同時調理が一人でも可能なので、時間短縮になり手間のかかる和食給食も充実できるのです。

食材も旬のものを選ぶので、予定していた野菜が当日変わることもあるそうですね。

石橋

献立は旬のものを中心に立てていますが、思わず高騰する場合は買い物中の園長先生から変更をお願いされることがあります。それにはすぐに対応していくようにしています。

保育士さんとの連携はどうですか。

石橋

子どもたちがよく食べてくれるのは、保育士が体を動かす時間をとってくれて、食べさせてくれるから。「赤ちゃんだったら、もう1回包丁を入れると食べやすくなるよ」と教えてもらうこともあります。私は栄養士・調理担当者として、子どもたちが食べているところを見て、保育士との給食会議での意見を生かしています。「子どもたちには、豊かな食経験をさせてあげたい。好き嫌いは個性だけど、食べていないのはかわいそう」と園長先生はおっしゃいます。ホウレンソウだったら納豆を和えたり、硬くて食べにくいキャベツや小松菜は高野粉でまぶした高野粉煮にしたりして、食べやすいように調理します。ちょっと工夫すると、子どもはとたんに食べてくれるので、そのための情報交換です。みんなと仲がよくて、調理室の雰囲気もよく、働きやすいです。調理室からは、子どもたちの様子も見られるので、近くに感じながら仕事ができるのもいいですね。

和食給食の考え方を、どのように感じていますか。

石橋

園長先生から「和食給食に変える」と話があってその思いを聞かせていただき、発信力の弱い私なので、とにかくついていこうと決め、やるべき仕事をさせてもらっています。栄養士なのでエネルギーなど数字が足りない等、悩むところがありますが、なかなか家庭では取り入れられない食材やメニューを使っているのでこれでいいんだと、何年か前から自信がついてきました。和食給食を通して子どもたちの心にも身体にもいいものを食べさせてあげたいです。始めてから10 年以上経ち、マンネリ化しないように、いろんな工夫と努力をしながら、自信を持って外に発信し続けたいです。

石橋さんの仕事への姿勢は、全国の栄養士さんの励みになると思います。職員間の連携で、調理場も活気があり、刺激になりました。和食給食がもっと広まるように、食を中心とした活動の発信を期待しています。

RECIPE

じゃが芋とピーマンの金平

材料(3歳以上児 1人分)

  • じゃが芋30.0g
  • しょうゆ2.3g
  • にんじん5.0g
  • みりん1.0g
  • ピーマン10.0g
  • きび糖0.8g
  • ごま1.0g
  • 食塩少々
  • 米油適量

作り方

  1. じゃが芋は千切りにして少し水につける。にんじん・ピーマンも千切りにし、フライパンに米油を熱し、にんじん・じゃが芋・ピーマンの順に炒める。
  2. しょうゆ、みりん、きび糖、塩で味をつけ、じゃが芋が柔らかくなるまで、中火でふたをして炒め煮にする。
  3. 最後にごまをからめる。

※ごま油で風味をつけたじゃこを入れてもおいしいですよ。

※米油は油、きび糖は砂糖で代用することができます。

さつま芋の揚げまんじゅう

材料(3歳以上児 1人分)

  • さつま芋40.0g
  • 米粉4.5g
  • きび糖4.5g
  • 米油適量

作り方

  1. さつま芋を湯がくか、蒸し、冷めないうちにつぶして米粉・きび糖をよく混ぜる。
  2. 食べやすい大きさに形を整えて、米油で揚げる。

※米油は油、きび糖は砂糖で代用することができます。

NOTE編集後記

子どもたちが、料理を味わい、食べることを楽しむ姿が印象的でした。2 歳児さんが一口食べて、しっかり咀嚼しながら「うーん」と満足する様子は、まさに理想の姿。微笑ましくて思わず顔がゆるんでしまうことが何度もありました。大典保育園の和食給食は、園長先生の「子どもに体に良いものを食べさせてあげたい」という愛情、それに応える給食室の方々の高い調理技術、そして食を中心とした保育活動を支える保育士さんの日々の努力に支えられている給食でした。おいしい給食を作るために、食材の調達、調理の手間を惜しむことなく探求し続け、それをおいしく食べるために、子どもたちは外でしっかり体を動かす。さらに食事をしっかり味わうために、食への関心を高めながら、手指をしっかり動かす「見立て遊び」を大切にし「手作りおままごとセット」を各クラスに置くことなど、大典保育園では、毎日の遊びと生活の中で、食に関わる体験を積み重ねることができる環境が揃っていました。今回の取材では、職員全員が協力して食環境を整えることの大切さを改めて感じました。

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