2026年10月20日 7:37 pm
今回から 3 回シリーズで、保育園給食の栄養管理についてお伝えします。知識の確認だけでなく、現場での判断に直結する考え方を丁寧にお伝えします。 このシリーズで学べること 【第 1 回「目標量」】 栄養目標量の根拠となる食事摂取基準の考え方と、充足率の正しい読み方を学びます。 【第 2 回「献立作成」】 目標量を実際の献立に変換する考え方を学びます。「食品はトラック」という視点で食品を選ぶ方法、栄養密度・食品群・寄与率の活用まで、具体的な操作とともに解説します。 【第 3 回「評価」】 作った給食を多角的に評価する方法を学びます。数値(充足率・食品群)だけでなく、残菜・子どもの食べる様子・成長曲線まで含めた PDCA サイクルをお伝えします。 栄養管理の基本を「知っている」と「正しく使えている」は、別のことです。第 1 回目は、下記のような現場の不安や疑問の解消につなげる「栄養目標量の根拠となる考え方」を整理しながら、わんぱくランチでの設定方法まで丁寧にお伝えします。 現場から聞こえてくる声 「目標量を自分で設定したことがない」 「目標量は立ててはいるけど自信がない」 「目標量に対しての過不足は大丈夫かしら?」 「離乳食やアレルギー食の目標量はどう考える?」 「和食中心の給食だからエネルギー目標量を低めにしているけど大丈夫かしら?」 ♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥ 第 1 章 なぜ、目標量が必要なのか この章のポイント(なぜ) 保育園給食の栄養管理は、2 つの公的データベースを根拠としている 「食品」ではなく「栄養素」で考えることが出発点 1.2 つのデータベースが栄養管理を支える 「食事摂取基準」が「どれだけの栄養素が必要か」を示し、「食品成分表」が「この食品にはどれだけの栄養素が入っているか」を示します。この 2 つを組み合わせることで、初めて「この献立で必要な栄養素が摂れているか」を計算できます。 ・日本人の食事摂取基準(2025 年版)——エネルギーおよび栄養素の摂取量の基準(厚生労働省) ・日本食品標準成分表(八訂)——日本人が食べている食品 2,478 種の栄養価データ 2.「食品」ではなく「栄養素」で考える 突然ですが、質問です。私たちの身体はいったい何でできているのでしょうか?多くの方が「食べ物」と答えるでしょう。間違ってはいません。でも実際には、そんなに単純な話ではありません。食べ物は、必ず栄養素に分解されてから吸収され、私たちの身体をつくっています。そのため、健康を考えるときには「食べ物(食品)」ではなく「栄養素」で考えることが出発点になります。現場では「カルシウムが不足しているから牛乳を増やそう」といった発想になりがちです。でも、この考え方には大きな落とし穴があります。 「食品を増やせばいい」の落とし穴 【牛乳を増やす→カルシウムは増えるが……】 飽和脂肪酸も一緒に増えます。飽和脂肪酸は目標量(10% エネルギー以下)を超えると将来の動脈硬化リスクが高まります。エネルギーも増えるため、他の食品を減らす必要も出てきます。 【しらす干しを増やす→カルシウムは増えるが……】 食塩も一緒に増えます。しらす干し(半乾燥品)は 100g あたり食塩約 2 〜 6g 程度(製品によって異なる)。給食で使用量を増やすと、食塩の充足率がみるみる上がっていきます。カルシウムを補おうとして食塩が過剰になる——これは実際によくあるジレンマです。 【ほうれん草を増やす→鉄は増えるが……】 植物性食品の鉄(非ヘム鉄)は、動物性食品の鉄(ヘム鉄)に比べて吸収率が大幅に低いという特性があります。「鉄が多い食品=鉄が補える食品」とは必ずしも言えないのです。 よくあるのは、「ある食品を増やすと、目的の栄養素だけでなく、他の栄養素も一緒に増えてしまう」ということです。食品は栄養素の集合体であり、1 つの食品には必ず複数の栄養素が含まれています。保育園給食では、栄養価計算という技術を使って各栄養素のデータを丁寧に確認しながら献立を作成することが求められています。その基盤となるのが、正しい「栄養目標量」の設定です。 第 2 章 管理目的の違いを知る この章のポイント(何を管理するか) 栄養素によって「管理の目的」が全く違う——これが充足率を読む最大のポイント 食事摂取基準の総論がその根拠を示している 1.管理する栄養素の種類 保育園給食で管理する栄養素は、「児童福祉施設における食事摂取基準を活用した食事計画について」(厚労省 2020 年通知)および「児童福祉施設等における食事の提供ガイド」(こども家庭庁 2025 年)で明示されています。特に問題がない場合でも、以下の 12 種類を基本的に考慮することが求められています。 基本的に考慮すべき 12 の栄養素(厚労省通知 2020 年 1(3) より) エネルギー/たんぱく質/脂質/ビタミン A /ビタミン B1 /ビタミン B2 /ビタミン Cカルシウム/鉄/ナトリウム(食塩)/カリウム/食物繊維 また、同通知 1(3) では「たんぱく質 13 〜 20%・脂質 20 〜 30%・炭水化物 50 〜 65% の範囲を目安とすること」と PFC バランスの範囲も明示されています。 なお、こども家庭庁ガイド(2025 年)の先行研究では、飽和脂肪酸(脂質の内訳)とナトリウムの過剰摂取者が特に多く、注意が必要な栄養素として挙げられています。 2.管理目的の違いと充足率の考え方 管理目的 栄養素 充足率の考え方 不足リスクの回避 たんぱく質・n-3 系・n-6 系脂肪酸ビタミン A・B1・B2・Cカルシウム・鉄・カリウム・食物繊維 不足すると健康障害のリスクが高まる。充足率が 100% を下回る月が続く場合は献立の見直しが必要。 過剰リスクの回避 食塩相当量・飽和脂肪酸 摂りすぎると将来の生活習慣病リスクが上がる。充足率は 100% を「下回ること」が目標。 過不足両方を防ぐ エネルギー 不足すると成長が妨げられ、過剰だと肥満につながる。月平均でほぼ 100% を目指す。 食事摂取基準総論より——集団の食事改善計画と実施の考え方 【摂取不足の回避を目的とする場合】 推定平均必要量または目安量を用います。「推定平均必要量を下回って摂取している者の割合をできるだけ少なくする」計画を立てます。 【過剰摂取の回避を目的とする場合】 耐容上限量を用います。「集団内の全ての者の摂取量が耐容上限量未満になる」計画を立てます。耐容上限量が設定されている栄養素は保育園給食で管理する栄養素のうち、2025 年版では主にビタミン A とカルシウム(鉄は 2025 年版から撤廃)です。ただし、耐容上限量を超えるリスクが生じるのは主にサプリメントや栄養補助食品などからの大量摂取の場合であり、食品を組み合わせた通常の給食の範囲では、耐容上限量を超えることはほぼありません。 さらに、たんぱく質・脂質(飽和脂肪酸を含む)・炭水化物・食塩・食物繊維については「生活習慣病の発症予防」を目的とした目標量も設定されています。保育園給食はこれらの指標を複合的に活用して計画します。なお、こども家庭庁ガイド(2025 年)の先行研究では、飽和脂肪酸の目標量以上の摂取者が 50% 以上であり、過剰摂取に特に注意が必要な栄養素とされています。 (「日本人の食事摂取基準(2025 年版)」策定検討会報告書 総論、こども家庭庁「児童福祉施設等における食事の提供ガイド」2025 年より) 3.管理する栄養素の役割 栄養素 主な役割 不足すると(または過剰だと) 保育園給食での注意点 エネルギー 身体活動・成長のための燃料 不足→成長障害・活動量低下過剰→肥満・生活習慣病リスク 月平均でほぼ 100% を目指す。全体的に高い・低い場合は給与割合を見直す たんぱく質 筋肉・臓器・免疫の材料 成長障害・免疫力低下 目標量は推奨量より高い(エネルギー比 13 〜 20% から算出)。誤解されやすい要注意項目 脂質(飽和脂肪酸) エネルギー源・細胞膜・ホルモンの材料n-3 系・n-6 系脂肪酸は必須 脂溶性ビタミンの吸収障害飽和脂肪酸の過剰で将来の動脈硬化・生活習慣病リスク エネルギー比 20 〜 30% が目安。飽和脂肪酸は 10% エネルギー以下が目標。飽和脂肪酸は動物性脂肪(バター・肉の脂身)や乳製品・加工食品に多い。n-3 系脂肪酸(魚・えごま油)の確保も意識する カルシウム 骨・歯の形成 骨密度の低下・将来の骨粗しょう症リスク 牛乳への依存が高いと除去時に一気に不足。小魚・豆腐・ひじきでの分散が重要 鉄 血液(ヘモグロビン)の生成 鉄欠乏性貧血・集中力低下・疲れやすさ 要因加算法+吸収率換算のため推奨量が高め設定。充足率は 100% を目指しつつ月ごとの傾向で評価する ビタミン A 皮膚・粘膜の保護・免疫機能 感染症への抵抗力低下・夜盲症 推奨量にはプロビタミン A(にんじん等)を含むが、耐容上限量には含まない。充足率 200% 超えでも野菜由来なら問題なし ビタミン B1 糖質をエネルギーに変える補酵素 倦怠感・食欲不振・神経障害(脚気) 推奨量は血中濃度飽和を目標にした安全マージン込みの値。充足率が多少下回っても脚気にはならない ビタミン B2 エネルギー代謝・皮膚・粘膜の保護 口内炎・皮膚炎・成長障害 牛乳・肉・魚・卵に多い。成長期に必要量が高い ビタミン C コラーゲン合成・免疫機能非ヘム鉄の吸収促進 免疫力低下・疲労感 加熱で壊れやすい。野菜・果物を多く使う献立で自然と充足しやすい ナトリウム(食塩) 体液バランスの調整 過剰で将来の高血圧リスク上昇 唯一「下回ること」が目標。だし・香り・酸味を活用した薄味調理が鍵 カリウム 体液バランス・血圧調整・筋肉の収縮 食塩の過剰摂取の影響を和らげる働きもある不足で筋力低下・疲れやすさ 野菜・いも・果物・豆類に豊富。野菜不足の献立では摂取量が下がりやすい 食物繊維 腸内環境の整備・血糖値の安定 便秘・腸内環境の悪化 野菜・豆類・芋類・海藻を意識的に取り入れる。慢性的に不足しやすい栄養素 4.充足率を正しく読むための背景知識 充足率は、ナトリウム(食塩)を省いた栄養素で 100% を目指しますが、「数値の意味」は栄養素によって異なります。推奨量が設定された根拠を知っておくと、充足率を見たときの判断に自信が持てます。 栄養素ごとの充足率の読み方 【たんぱく質:充足率が高くても食べすぎではない】 保育園給食のたんぱく質目標量は、食事摂取基準の推奨量より高い値になります。保育園給食では「生活習慣病の予防」という観点からエネルギー比 13 〜 20% の範囲で目標量を算出するため、推奨量を大きく上回る値になります。充足率が 150% になっていても、エネルギー比の範囲内であれば問題ありません。 【食塩:充足率は「下回ること」が目標——給食だけでは限界がある】 食塩は唯一「100% を下回ること」が目標の栄養素です。しかし子どもの食塩摂取の多くは家庭の食事(朝食・夕食)から来ているため、給食だけで対応することには限界があります。食事摂取基準も「給食における対応のみでは限度があり、家庭においても食塩の摂取量をできる限り抑制する取組が必要」と明記しています。 【カルシウム:多ければ多いほど良いわけではない】 「カルシウムが不足しているから牛乳を増やそう」という発想はよくありますが、骨密度はカルシウム摂取量が一定量を超えると、それ以上増やしても上昇しなくなります(閾値がある)。牛乳を 2 倍にしても骨が 2 倍強くなるわけではなく、一方で飽和脂肪酸やエネルギーも一緒に増えます。充足率 100% を安定して達成することが大切で、過剰摂取を目指す必要はありません。 【ビタミン A:充足率 200% 超えでも野菜由来なら問題ない】 ビタミン A の推奨量は、動物性のレチノールと野菜のプロビタミン A(βカロテン等)を合わせた量で計算されています。しかし耐容上限量を決めるときには、プロビタミン A は「体が必要な分だけ変換するため過剰にならない」として含まれていません。にんじん・かぼちゃ・ほうれん草などの野菜をたくさん使った結果、充足率が 200% を超えても過剰摂取のリスクはほぼありません。(食事摂取基準 2025 年版:「βカロテン等のプロビタミン A カロテノイドの摂取量は耐容上限量に含めない」) 【ビタミン B1:充足率が多少下回っても脚気にはならない】 ビタミン B1 の推奨量は「ほぼ全ての人で血液中のビタミン B1 の濃度が飽和量に達するであろう摂取量」として設定されています。脚気(ビタミン B1 欠乏症)を発症する量はこれよりずっと少なく、充足率が多少下回っても実際の健康被害にはつながりにくいのです。慢性的に大きく下回る状態は避けるべきですが、過度に心配せず月全体の傾向で見ましょう。 【ビタミン C:加熱で失われるため果物が重要な供給源】 ビタミン C は熱・水・酸素に弱く、加熱調理で大幅に失われます。食品成分表の数値は生の状態の値であり、給食のように加熱調理が中心の食事では、計算上の充足率より実際の提供量は少ない可能性があります。保育園では生野菜を食べる機会が少ないため、果物はビタミン C の貴重な供給源です。デザートとして毎日果物を取り入れることには、栄養的な意義があります。 【鉄:計算方法の特性を知ったうえで 100%を目指す】 鉄の推奨量は「要因加算法」という方法で算出されています。体から失われる鉄+成長に必要な量を積み上げ、さらに食事からの吸収率(約 16%:食事摂取基準 2025 年版より)で割り戻すため、値が高めになる特性があります。食事摂取基準の調査でも、小中学生では推定平均必要量を下回る者が 50 〜 60% と高い一方、実際の鉄欠乏性貧血の有病率は 0 〜 5% 台にとどまっています。充足率は 100% を目指しつつ、月ごとの傾向・変化に注目して評価しましょう。 【食物繊維:目標量は「理想と現実の中間点」——100% でも足りない可能性がある】 食物繊維の目標量(2025 年版)は、現在の日本人成人の摂取量の中央値(13.3g/ 日)と、健康上望ましい摂取量(25g/ 日)との中間値(19.2g/ 日)を参照値として算出されています。食事摂取基準の報告書自身が「食物繊維の理想的な目標量は成人では 25g/ 日以上と考えられるが、現在の日本人の摂取実態を鑑み、実行可能性を考慮して低く設定されている」と述べています。充足率が 100% に達していても、健康上の理想にはまだ届いていない可能性があります。野菜・豆類・芋類・海藻を積極的に使い、100% を超えてさらに増やすことを目指したい栄養素です。 【エネルギー:個人差が大きく、集団の平均で計画し、個別は成長曲線で評価する】 エネルギーの推定エネルギー必要量は、身体活動レベルなど個人差が大きく、集団への一律適用には限界があります。給食の目標量は集団の加重平均で設定し、月平均充足率でほぼ 100% を目指します。ただし個々の子どもが適切なエネルギーを摂取できているかどうかは、定期的な身体測定と成長曲線で評価することが原則です(通知文 2(2))。 【エネルギー産生栄養素バランス(PFC バランス):1 食・1 日単位でなく月平均で見る】 たんぱく質 13 〜 20%・脂質 20 〜 30%・炭水化物 50 〜 65% という PFC バランスの範囲は、「生活習慣病の発症予防」を目的として設定された目標量(DG)です(食事摂取基準 2025 年版、厚労省 2020 年通知 1(3))。この範囲は「弾力的に運用すること」とされており、1 食や 1 日単位での厳密な適合を求めるものではありません。月平均で範囲内に収まることを目標に評価しましょう。また、主食持参の場合は副食単体の PFC バランスで評価せず、持参した主食も含めた 1 食全体で評価することが重要です。 【カリウム:食塩と対になる栄養素——野菜・果物を増やす積極的な理由になる】 カリウムは体内でナトリウム(食塩)の排泄を促進し、血圧上昇を抑える働きがあります。食事摂取基準では食塩の過剰摂取が問題とされていますが、同時にカリウムの摂取量を増やすことが生活習慣病予防の観点から重要とされています。保育園給食で野菜・いも・果物・豆類を積極的に取り入れることは、カリウム摂取という点でも栄養的な意義があります。充足率が 100% を下回りやすい栄養素でもあるため、野菜不足の献立が続いていないか確認する目安としても活用できます。なお、カリウムには耐容上限量が設定されていないため(食事摂取基準 2025 年版)、充足率が 200% 近くなっても過剰摂取のリスクはほぼありません。 第 3 章 目標量の計算方法——3 つのステップ この章のポイント(どうやって計算するか) 目標量はわんぱくランチで「給与割合→性別・年齢・人数の入力→加重平均」の 3 ステップで算出する。 子どもの胃の容量を知ると、給与割合の根拠が腑に落ちる STEP 1 給与割合を決める ▶ 保育所で 1 日の食事摂取基準の何 % を提供するかを設定する ▶ 以上児(昼食+午後おやつ):40 〜 45% が目安 ▶ 未満児(午前おやつ+昼食+午後おやつ):45 〜 50% が目安 STEP 2 性別・年齢・人数を入力する ▶ 在籍する園児の性別・年齢区分ごとに人数を入力する ▶ 食事摂取基準の基準値に人数をかけて合算し、総人数で割る(加重平均) ▶ これにより「このクラスの平均的な 1 日の必要量」が算出される STEP 3 給与割合をかけて目標量を確認する ▶ STEP1 の給与割合× STEP2 の加重平均=給食で提供する目標量 ▶ STEP3 の画面で算出された目標量を確認し「保存」する ポイントは「加重平均」という計算方法です。クラスに 3 歳と 5 歳の子どもが混在している場合、単純な平均ではなく、それぞれの人数を考慮した重み付き平均を使います。この計算を手作業でやると非常に手間がかかりますが、わんぱくランチでは数秒で算出できます。 子どもの胃の容量から考えるエネルギー目標量 乳幼児期の子どもは、大人と比べて体重あたりのエネルギー・栄養素の必要量がとても多い時期です。成長に大量のエネルギーが必要なためです。ところが同時に、胃は体の大きさに比べて非常に小さい。一度にたくさん食べることができないのです。 子どもの胃の容量は体重 1kg あたり約 30mL とされています(小児栄養の研究知見より)。3 〜 5 歳児の参照体重は約 16.5kg なので、胃の容量はおよそ 500mL。給食で一般的に提供されている量(米 50g・肉や魚 40 〜 50g・野菜類 100g 程度・汁や水分 100g 程度)もおおよそ 500mL です。 胃は小さいのに、必要な栄養は多い——この矛盾をどう解決するか → 一度の食事で摂れるエネルギーはおおよそ 380 〜 400kcal 前後。これだけでは 1 日に必要なエネルギーに届かない。 → だから午後のおやつ(未満児は午前おやつも)で補う必要がある。これが給与割合 40 〜 50% の根拠。 → そして限られた胃の容量で必要な栄養を満たすには、「栄養密度の高い食品」を選ぶことが大切になる——これは第 2 回「献立作成」で詳しく扱います。 未満児は 3 〜 5 歳児と比べて胃の容量がさらに小さく(約 70% 程度)、一度に食べられる量が少ない。それでも体重あたりのエネルギー必要量は以上児より多いため、午前のおやつで補う必要があります。保育時間が極端に短くなければ、午前のおやつは栄養管理上欠かせません。 保育園での給与割合——40 〜 45% か、45 〜 50% か 以上児:40 〜 45% 程度 (昼食+午後おやつ) 未満児:45 〜 50% 程度 (午前おやつ+昼食+午後おやつ) 給与割合の差は、保育時間によるおやつの内容の違いによります。長時間保育でおやつのエネルギーが多い場合は、以上児 45% 程度、未満児は 50%程度となります。 給与割合の根拠(こども家庭庁ガイド 2025 年より) 保育所給食調査では、平日の給食(昼食+おやつ)から摂取している栄養素は 1 日摂取量の約 40 〜 50% でした。この結果から、3 〜 5 歳児の基本的な給与割合は 1 日の 43% 程度が妥当とされています。(「児童福祉施設等における食事の提供ガイド」こども家庭庁 2025 年 9 月 p.27 より) 目標量の充足率が全体的に高い・低い場合は給与割合の見直しを 充足率が全体的に高すぎる場合→給与割合を少し下げる(例:45% → 42%) 充足率が全体的に低すぎる場合→給与割合を少し上げる(例:40% → 43%) わんぱくランチの「給与栄養目標量マスター」で給与割合を変更すると、全栄養素の目標量が自動で再計算されます。 目標量を見直すタイミング 目標量は年に 2 回、4 月と 10 月を目安に見直すことが求められています。進級・入園に伴い年齢構成が変わるためです。特に 10 月は、未満児クラスで 3 歳になる子、以上児クラスで 6 歳になる子が出てくるので、再計算のタイミングとして重要です。進級・転入のたびに加重平均が変わるため、昨年の目標量は今年の子どもたちには合っていない可能性があります。自治体から指定された目標量も、あくまでその時点での参考値です。自園の実態に合わせた見直しが必要です。 第 4 章 わんぱくランチで目標量を設定する この章のポイント(どうやってわんぱくランチで設定するか) 目標量の設定方法は 2 つ——自治体指定の直接入力か、食事摂取基準からの算出か 「計画の指標」と「個人の評価」は使い分ける わんぱくランチの設定画面を開く メイン画面のメニューバーから「マスター(M)」→「給与栄養目標量マスター(S)」をクリックして、給与栄養目標量の設定画面を開きます。 目標量の設定方法は、大きく 2 つあります。 Ⓐ 自治体などで決められた目標量を直接入力する自治体から目標量が指定されている場合は、STEP3 の「3-5 才児」欄・「1-2 才児」欄に値を直接入力し、「保存」ボタンをクリックします。STEP1・2 の項目は食事摂取基準をもとに自動計算されるため、入力不要です。 Ⓑ 食事摂取基準から目標量を算出する自治体から指定がない場合や、食事摂取基準に基づいて自園で設定する場合は、以下の STEP1 〜 3 で設定します。 食事摂取基準から目標量を設定する STEP 1 保育所における給与割合を設定する ▶ 設定画面の STEP1 で、食事摂取基準(1 日)の何 % を保育所で提供するかを入力する ▶ 以上児(昼食+午後おやつ):40 〜 45% が目安 ▶ 未満児(午前おやつ+昼食+午後おやつ):45 〜 50% が目安 ▶ 給与割合が決まっていない場合は「おまかせ給与標準」ボタンをクリックするとサンプルの給与率が入力される ※ 「おまかせ給与標準」ボタンとは:各時間帯(朝・昼・おやつ等)の標準的な給与割合の目安をシステムが自動入力する機能です。初めて設定する場合や、標準的な割合から始めたい場合に活用してください。実際の保育時間や家庭の食事状況に合わせて、入力後に数値を調整することができます。 ※ 炭水化物エネルギー比は直接入力できません。「100 からたんぱく質エネルギー比および脂質エネルギー比を引いた値」が自動的に炭水化物エネルギー比として設定される仕様です。たんぱく質・脂質の比率を入力すると、炭水化物の比率が自動で決まります。 ※ 保育所での給与割合は、各園で子どもの生活状況等(家庭での食事状況・保育時間等)を考慮して決定します。 STEP 2 未満児・以上児クラスの在籍人数を入力する ▶ 「以上児

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