2021年1月20日 12:53 pm

日本特有の食材、“昆布”を使った料理をご紹介します。

京料理“木乃婦”の高橋さんは、
和食は「昆布を使う料理のこと」と言います。

食材が限られる国では、バター等の油脂でコクと風味を加えますが、和食は昆布のうま味成分、いわゆるグルタミン酸、アスパラギン酸という、ほとんどノンカロリーのうまみ成分(アミノ酸)で満足感を与えます。

昆布には、そのもの本来の雑味を除去し、野菜特有のえぐ味や苦味をやわらげ、品のある味に仕上げる力があります。豊富な魚介類、野菜類がある日本だからこそ、万能な昆布の必要性が生まれたとのことです。

昆布を上手に使って、子どもたちに“和食のおいしさ”を伝えましょう。

切り昆布を使った料理

日本料理では、昆布を出汁として使う場合と、昆布巻きのようにそのまま食べる料理があります。今回は、後者の「昆布そのものを食べる料理」をご紹介します。

 


▼さつま芋の煮物

この料理は、昆布の塩味でさつま芋の甘みが引き立ち、うま味でごはんが進むという、おすすめの一品です。献立にもう一品として加えると、和食で不足しがちなエネルギー量も無理なく増やすことができます。

  • さつま芋 40g
  • 刻み昆布 1g
  • 油 1g
  • しょうゆ 0.8g
  • 砂糖0.3g
  1. さつまいもを角切りにする。
  2. 刻みこんぶ(切り昆布)を水でもどし、食べやすい長さに切る。
  3. 油で2のこんぶ、しょうゆ、砂糖を炒める。
  4. 少量の水、さつまいもを加えて煮て、さつまいもがやわらかくなったら火を止め、しばらくおいて味をしみこませる。

 


▼昆布の煮物

こちらは、砂糖、みりんを使わない煮物です。昆布の塩味でにんじんの甘みが際立ち、絶妙に味のバランスがとれます。こちらも、ごはんがおいしくなる一品。蒸物、焼き物に合わせるとおいしく食べることができます。口内調理を楽しみながら食べてほしい料理です。

  • 刻み昆布 2g
  • にんじん 20g
  • ちくわ 4g
  • ごま油 1g
  • しょうゆ 0.5g
  1. 刻み昆布(糸昆布)を戻し、ざっくりと切る。
  2. にんじんをせん切りにする。
  3. ちくわを細切りにする。
  4. ごま油で材料を炒めた後、しょうゆを加えて煮る。

 


▼三色なます

最後は酢の物です。酸味が苦手な子どもがいますが、昆布を加えると味が“まろやか”になり、食べやすくなります。だいこんがおいしい冬に食べて欲しい副菜です。

  • だいこん 30g
  • にんじん 5g
  • 刻みこんぶ 0.5g
  • 水 3g
  • 酢 3g
  • 砂糖 1.2g
  1. だいこん、にんじんを3cm長さのせん切りにしてさっとゆでる。
  2. 刻みこんぶをゆでて食べやすく切る。
  3. 水、酢、砂糖で2をさっと煮て1を加えてなじませる。

まとめ

今回は、刻み昆布を使った副菜を3品ご紹介しました。

刻み昆布は、戻すだけで使えて、出汁を取ることなく、料理にうま味を加えることができる便利食材です。作りやすくて、おいしい!は給食にとって大切な要素ですよね。

エネルギーがなくても、美味しさをプラスできる「昆布」は、子どもたちの健康を将来にわたり支えます。昆布のおいしさがわかれば、日本の豊富な食材を存分に味わうことができ、食生活が豊かになります。油脂・砂糖に頼らずにおいしさを感じられるので、生活習慣病から遠ざかることにつながります。

子どもの食事研究所では、子どもに食べさせたい食材を、給食食材として便利に活用する調理法、料理をこれからも研究していきたいと思っています。ちなみに、今回ご紹介した煮物2品は、調味料を混ぜてスチコンにかけっぱなしで、簡単に作ることができます。わんぱくランチユーザーのみなさんには、また別の機会にスチコンの調理法をお伝えしたいと思います

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